広島市議補選安佐北区備忘録

メモ・備忘録

選挙が好きである。

ただ、「政治に参加しよう!」と意識高く思っているわけではないし、インターネットでは「○○党支持!」「××法案反対!」みたいに政治的スタンスを言うとめんどくさい人が寄ってくるので、あまり言わないようにしている(もちろんニュースとか見て、自分なりに考えてはいますが)。

僕は選挙ポスターの写真を撮ったり、選挙特番を見ながら獲得議席を眺めたり、独自の戦いをする候補の公約や政見放送を見てニヤニヤするのが好きなだけなのだ。というわけで、今後選挙があったらいろいろ書きます。


さて、我が地元・広島市の安佐北区は、あの買収事件を起こした河井克行・安里夫妻のお膝元である。

去年は安里氏の当選無効に伴い、国政選挙ではレアな再選挙も開かれた。

キャッチコピーの「だまっとれん。」から県側の静かな怒りを感じる。

衆院選では「さすがに自民は応援できない」という地元の声から、公明党の斎藤副代表が比例から広島3区へ回った。そんな中、NHK党がヴィジュアル系バンド「ジャックケイパー」のベース担当・YG(やじ)こと矢島氏を擁立。落ち武者ヘアー・ピアス姿のポスターがインパクトを与えた。

今回の補選も金銭授受を受けた市議2人が辞職したことに伴う。読売新聞調べでは、事件の影響で行われた穴埋め選挙の経費は13億2000万円にも上るという。

これも税金から捻出される。喜ぶのは俺みたいな選挙マニアの好事家だけだ。


今回の候補者とポスターはこちら。

広島市議会議員・安佐北区選挙区補欠選挙(定数2)候補者
山下正寛(やました・まさひろ) 45歳・無所属・新人
原田佳子(はらだ・よしこ) 69歳・無所属・新人
清水貞子(しみず・ていこ) 75歳・共産・新人
三宅朗充(みやけ・あきみつ) 56歳・無所属・新人
正木篤(まさき・あつし) 71歳・無所属・新人
加藤万蔵(かとう・まんぞう) 76歳・無所属・元職
大田清(おおた・きよし) 49歳・無所属・新人
(届け出順)

地元紙の中国新聞によると三宅候補は自公の地元議員、山下候補は立憲関係者が応援に来ていたということ。無所属とはいえ、この両名の固定票がカギを握る予感。

原田候補はフードバンク代表の経験から給食・フードロス問題を中心にアピール。共産党の清水候補は「挑み続けて15年」と自称するほどの常連候補。2019年の市議会選ではわずか4票差で次点となった。


ここからは個人的な注目候補。まず、河井事件よりも前に起訴された地方議員が今回の立候補者に2人いる。

加藤候補は1987年から市議を務めたが、公職選挙法違反で有罪判決を受け1996年に辞職。その後何回か市議選に立候補したものの最下位が定位置。

今回は選挙公報が未提出のうえ、ポスターも防水じゃない普通の紙なので、雨上がりに文字がにじんでホラーな感じになっていた。さすがにモチベーションが下がっているのだろうか。

正木候補は2011年に県議に当選したが、その2ヶ月後に無免許運転で逮捕され有罪判決(執行猶予付き)。その後の辞職勧告に応じなかったことから市民運動が起こり、2013年にリコール成立。日本初の都道府県議に対するリコール成立となった。

2013年・出直し選挙のポスター。「心機一転」を掲げるも結果は最下位。

果たしてこの2名の返り咲きを選ぶ区民はどれだけいるのか。ある意味見ものですな。


そして、なんといってもポスターが目を引く「きよぽん」こと大田候補。

オンライン形式の学習塾を経営しており、実は先月の安芸区補選にも立候補していた。YouTubeチャンネル「きよぽんちゃんねる」のアピールも兼ねているっぽい。

逆さまに貼られたうえヒゲと眉毛が描かれているものまであった。一瞬いたずらかとも思ったが、安芸区補選の時の動画を見ると元々からこうらしい。
(※おそらく「フランシスコ・ザビエルの肖像画に点を打って逆さにするとペンギンに見える」というネタのオマージュ)

選挙公報には「路面電車を廃止し、地下鉄環状線を整備」「ディズニーランドもしくはUSJを誘致」とダイナミックな目標を掲げている。

ちなみに選挙で芸名などの通称(戸並誠氏の「マック赤坂」、西本誠氏の「スーパークレイジー君」なども通称です)を使うには申請が必要だが、どうも申請していないようので下手すると「きよぽん」と書かれた票は無効になる可能性もある。大丈夫かな。


というわけで明日24日が投票日です。結果が出たらまた追記するかも。

(追記)
開票が終わったので結果を追記。

有権者数:118,512人、投票者数:22,599人
投票率:19.07%

 当選  候補者名  得票数 
山下正寛6,335
三宅朗充4,322
清水貞子3,946
原田佳子3,737
正木篤1,657
加藤万蔵1,205
大田清587
広島市ホームページを基に作成

地元議員の支持を集めた山下氏と三宅氏が順当に当選。しかし投票率が2割切り!補選は落ちる傾向とはいえ、やっぱり政治不信の影響ですかねー。